宮崎のAI講座で何が身につくか|独学・公的講座・民間講座の違い
2026-08-26 執筆: 今長 学(Exist Japan株式会社 代表取締役)
「宮崎でAIの講座を受けたい」と考えたとき、最初に悩むのはどこまで学べば仕事が変わるのかが見えないことだと思います。
無料の動画で十分なのか。県の講座に申し込むべきなのか。お金を払って民間の講座を受ける意味はあるのか。同じ「AI講座」という名前でも、終わったときに身についているものはまったく違います。
この記事では、宮崎で生成AIを学ぶ選択肢を3つに整理し、それぞれ何が身につくのか、そして学んだあと社内にどう広げるかまでを順にご説明します。
宮崎県は「15,000人」を育てる計画を持っています
前提として知っておいていただきたい数字があります。
宮崎県のデジタル化推進計画(みやざきDXプラン)は、令和10年度までに産業人材15,000人を育成するという目標を掲げています。県の人口は令和7年国勢調査の速報値で1,018,904人ですから、規模としてはかなり踏み込んだ目標です。
背景には人口の見通しがあります。同じ計画では、県内の生産年齢人口が2020年の約58万人から2040年には45万人まで減ると見込まれています。
つまり宮崎県には、行政の予算がついた学びの場が実際に用意されているということです。有料の講座を探し始める前に、まず公的な選択肢を確認する価値があります。
AI講座は、大きく3種類に分かれます
| | 独学 | 公的講座 | 民間講座 | |---|---|---|---| | 費用 | ほぼ無料 | 無料または低額が中心 | 有料 | | 内容の合わせ方 | 自分で決める | 一般的な内容が中心 | 自社に合わせられる | | 進むペース | 自分次第(止まりやすい) | 日程が決まっている | 日程を相談できる | | 向いている人 | 自分で調べるのが苦にならない人 | 費用をかけずに体系的に学びたい人 | 期限を決めて全社で変えたい会社 | | つまずきやすい点 | 自社の業務に当てはめる段階 | 募集枠・時期が限られる | 費用の判断 |
独学
いまは無料の情報が大量にあります。生成AIそのものも無料版で試せますから、「触ったことがない」段階を抜けるだけなら独学で十分です。
ただ、独学で必ず止まる場所があります。自分の仕事の書類に当てはめる段階です。一般的な使い方は分かったのに、目の前の見積書や報告書にどう使えばいいかが分からない。ここで多くの方が離脱します。
公的講座
宮崎県が実施しているみやざきDXけん引人材育成事業は受講料が無料で、戦略策定コース70社・実践コース20社という枠で募集されています(選考あり)。単にツールを入れて終わりにせず、自社の課題に沿った戦略づくりから現場への定着までを一貫して見る設計です。
出典:宮崎県公式ページ
そのほか、離職者・求職者向けの「みやざきデジタル人材育成事業」(無料)、オンラインで受けられる「地域密着型IT人材育成プログラム」といった講座も走っています。募集時期が限られるため、最新の実施状況は各公式ページ、または産業DXサポートセンター(080-2121-3841・平日9〜17時・無料)でご確認ください。
出典:https://www.dx-miyazaki.com/
申し込めるなら、まず公的講座をおすすめします。 無料で受けられるものを飛ばして有料の講座を検討する理由はありません。
民間講座
公的講座と民間講座の一番の違いは、自社の書類を持ち込めるかどうかです。
公的講座は多くの企業が一緒に受けるため、内容は一般的にならざるを得ません。一方、民間講座は御社の業務に合わせて演習を組めます。「毎月つくっている報告書をその場でAIに書かせてみる」といった進め方ができるのは、こちらです。
費用がかかるぶん、期限を決めて全社を動かしたいときに向いています。
「身につく」には3つの段階があります
講座を選ぶときは、自社が今どの段階にいて、どこまで行きたいのかを先に決めてください。
段階1:知っている
AIが何をするものか、何が得意で何が苦手かを説明できる状態です。無料の動画や1〜2時間の講義型セミナーで到達できます。
ただしこの段階では、仕事の時間は1分も減りません。 ここで止まっている会社が非常に多いのが実情です。
段階2:自分の仕事で使える
自分が毎日・毎月やっている作業のうち、どれをAIに任せられるかが分かり、実際に任せられる状態です。
ここに来るには、自分の実際の書類を使って手を動かす時間が要ります。練習用の題材では届きません。実習型の講座を選ぶ理由はここにあります。
段階3:人に教えられる・仕組みにできる
自分が使えるだけでなく、社内の他の人に手順を渡し、会社の決まりごとにできる状態です。
ここまで来て初めて、会社としての効果が出ます。逆に言えば、**段階2で止まると「あの人だけAIを使っている会社」**になります。これは効果が個人にしか残らず、その人が辞めれば消えます。
宮崎市で探す場合の順番
宮崎市内で講座を探す方が多いので、当たる順番を整理しておきます。
- 産業DXサポートセンターに電話して、いま募集中のものを聞く(080-2121-3841・無料)
- 宮崎県よろず支援拠点(0985-74-0786・無料・相談回数の制限なし)に、自社の状況を相談する
- 所属する商工会・商工会議所の会員向けセミナーの案内を確認する(県内には宮崎・都城・延岡・日南・小林・串間・日向・西都・高鍋の9か所に商工会議所があります)
- 県の育成事業の募集時期を確認する
- それでも合うものがなければ、民間の講座を検討する
学んだあと、社内にどう広げるか
ここが一番大事なところです。講座を受けた方が会社に戻ったあと、多くの場合こうなります。
自分は使えるようになった。でも周りに教える時間がないし、教え方も分からない。結局、自分の仕事だけが少し楽になった。
これを避けるために、講座を受ける前に決めておくとよいことが4つあります。
1. 2人以上で参加する
推進役を1人だけにすると、その人の異動・退職で全部止まります。受ける人と、その人を支える2人目。この2人で参加してください。
2. 「使えた例」を貯める場所を先に決める
社内のチャットでも共有フォルダでも構いません。うまくいった指示文(プロンプト)をそのまま貼っておく場所を1つ決めます。これがあるだけで、他の人は真似から始められます。ゼロから覚えてもらう必要がなくなります。
3. ルールを1枚にまとめる
「お客様の個人情報は入力しない」「取引先名を出さない」といった扱いのルールを、A4で1枚にします。ルールがないと、慎重な社員ほど使えません。 禁止事項を明確にすることは、使ってよい範囲を明確にすることと同じです。
4. 3か月後に振り返る日を決めておく
「どの作業が、どれだけ短くなったか」を3か月後に確認する日を、講座を受ける前にカレンダーへ入れておきます。振り返る予定がないと、たいてい振り返られません。
なお、県が令和5年に473社へ行った調査では、従業員101人以上の事業者は8割以上がデジタル化に着手していた一方、それより小さい規模の事業者では約5割にとどまっていました。
出典:宮崎県 デジタル化の対応に関する調査(令和5年・n=473)
裏を返せば、小さい会社にはまだ手つかずの業務が丸ごと残っているということです。しかも人数が少ないぶん、決めれば翌日から変えられます。
当社の講座について
当社(Exist Japan株式会社)は、宮崎県内の企業向けに生成AI・AIエージェントの講座を提供しています。講師の今長 学は、生成AI研修の受講者累計500名以上、登壇200回以上の実績があります。
- 開催形式:オンラインが基本です。対面をご希望の場合は宮崎県内へ出張して実施します
- 内容:御社が実際に使っている書類を持ち込んでいただき、その場でつくるところまでやります
- 費用:3時間の研修で10名まで16.5万円(税込)から。社内に推進役を育てる伴走型のAI顧問もご用意しています
繰り返しになりますが、無料の公的講座で足りるならそちらが一番です。 募集枠に入れなかった場合、自社の業務に合わせた内容が必要な場合、全社員に一気に広げたい場合にご相談ください。
※本記事の制度内容は2026年8月26日時点で各公式ページに掲載されていた内容です。募集状況・要件は変更されることがありますので、申し込み前に必ず公式ページでご確認ください。